マメニッキ

平凡な日常のアレコレ

映画「ドライブ・マイ・カー」

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ブログの存在すら忘れつつある今日この頃・・・皆さんお元気でしょうか。って数名しかいないはずの、このブログの希少な読者の方々へ呼びかけております・・・すみません、ご無沙汰です。書きたいネタはありつつもずっと溜まる一方の下書き!それらは近日中になんとかするとして、まず!先日、見たばかりの映画の感想を書かせてください。いや、書かねばならない!

見てきたのは映画「ドライブ・マイ・カー」

まず最初に説明すると、私はそんなに日本の映画やドラマを見ない。特に理由はないけれど、見ようと思えるくらい特に魅力を感じないから・・・(失礼、失礼)なのだけれど、このドライブマイカーはなんだかちょっときになっていた。なぜだろう?カンヌで賞を取ったから?主演が西島秀俊だから?(注:私が近年唯一ハマった日本のドラマ「きのう何食べた?」に彼は出ていた)ひょっとしたら、よく読むブログを書かれている方がこの作品を絶賛していたからかもしれない。とにかく素通りできない感じだった、気になっていた。

でもすぐ見に行く気にはなれなかった、なぜなら上映時間が約3時間もあるのだ・・・!いくらヒマ人の私でも若干躊躇するくらい、長い。しかも原作は村上春樹氏。実は私は彼の作品は未だに読んだことがない。何となく苦手意識があった。もし見に行って、雰囲気だけで見せるような退屈な作品だったら居眠りしてしまうかも、見に行ったことを後悔してしまうかも。そんなことを考えているうちに上映開始からだいぶ日が経ってしまった。

前置きが長くなってしまったけれど、なぜか昨日突然見に行ってみようという気になって行ってみた。たまたま色々なタイミングが良かったのだ。

で、結果・・・・・とてもとても素晴らしい作品だった

一番の懸念事項だった3時間の上映時間はまったく気にならず、最初から最後まで引き込まれるようにみた。あまりにも素晴らしくて、感想を書き留めておきたくて久々にブログを更新する気になったくらい。では以下、かなりネタバレありの感想

いつものごとくあらすじは割愛。私は原作を読んでないし、全くどういうストーリーなのか予備知識を一切入れずに行ったので、物語の前半の主人公家福と、その妻のがメインの東京のシーンから、その後の広島でのシーン、さらに北海道のシーンへの展開が想像を超えていて、この先どうなるのか見当もつかないストーリーに終始引き込まれた。ラストに至っては、本当に想定外。芝居の舞台の本番のシーンが終わったと思ったら、瞬間次のシーンがもう舞台ではなく、場所が韓国になっていた。しかも数年後を思わせるシーンで、出てくるのはみさきと、ユンス夫妻の飼っていたと思われる犬、そして家福の車。物語の出発地点から全く思いもしなかった着地点に驚いた。

このラストは見た人たちに色々考えさせるような、そしてその人たちの解釈に委ねる結末だったと思う。見終わった後、いろんな方の感想を読んでみたけれど、見事に人によって受け取り方は様々で、ある意味作者や、制作側の意図はここだったのかなとも思った。この作品には伏線や印象的な小物がたくさん登場するのだけれど、私が印象に残ったのは、たばこ、目薬、ウイスキー、そしてマスク。それらがセリフがないシーンでも物語を伝える手立てになっている気がした。

マスクといえば、見ている間ちょっと頭をよぎったのは、この物語はフィクションだけれど、家福たちのような舞台に関わる人たちは、現在、コロナ渦で本来の仕事もままならず、大変な状況だろうな、ということ。そしたらラストでマスクをしたみさきが韓国のスーパーで買い物をしているシーンが出てきて、途端にこれは今のみさきだ、と察することができた。コロナで世界中が大変な状況の現在、みさきは広島でもなく、韓国にいるのだと余計な説明をしなくとも、私はそう察した。そしてスーパーで買い物を終えたみさきが乗り込んだ車が、家福の赤い愛車、そしてその車の中でみさきを待っていたのは、ユンス夫妻が飼っていたと思われる犬。

これを見ての私の解釈は、

①コロナ渦になり演劇を生業としているユンス夫妻は日本で生活をしていることが大変になり、一旦韓国に帰ることにしたのではないか?

②ユンス夫妻がみさきに、一緒に韓国へ行かないかと誘ったのではないか?

緑内障の症状が進んで運転を諦めた家福が、愛車をみさきに譲ったのではないか?

・・・・・ということ。あくまでも私の勝手な解釈なので、実際制作側の意図とは違うかもしれないけれど。いや〜、とにかく失礼ながら全然期待してなかったからか、余計面白かった。もっと書きたいことはあるけれど、アップするのがますます遅くなりそうなので、一旦〆。