マメニッキ

平凡な日常のアレコレ

女ふたり、暮らしています。

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 先日ブログにも書いたオススメの本女ふたり、暮らしています」読み終わって、ものすごく名残惜しくて、現在2回目の読み直し中!それくらい、本当にイイ!!!まだ読んでない方向けにざっくりと説明すると、この本は小説ではなく、しいていえばエッセイ。ソウルに住むキム・ハナさんとファン・ソヌさんという経済的にも自立した2人の女性が、ひょんなことから出会い、2人でマンションを購入し、共同生活を送ることになる。

気の合う2人だったからそういうことに至ったわけだけれど、性格が似てるのかと思いきや、その後の共同生活でわかったのが2人は正反対だということ。それぞれに秀でたところもあり、得意ではないこともある。そんな2人の生活は楽しいことばかりではなく、近隣住民とのいざこざ、互いへの不満によるケンカもあり。そういうことを乗り越え、2人が絆を深めていく様子は感動的ですらあり、羨ましくもある。誰しもがこういう「同志」に出会いたいと思うのではないのかな。それが夫となる人の場合もあれば、親友ということもあるし、関係性はどうであれ、自分の思いをぶつけ合って、悲しい時は一緒に悲しみ、嬉しい時は一緒に喜び、ともに美味しいご飯を食べてお酒を飲んで、おいしいねと言える仲間は本当に貴重で、簡単に築けるものではないし、そういう相手が簡単に見つかるわけでもない。ヘタすると一生出会えない可能性だってある。

2人の周りには、同じマンション内や近所に気の合う仲間も何人かいて、互いに声を掛け合い、物を分け合ったり、一緒に食事をとったり、程よい距離感で付き合っている。その様子を見ていると、血の繋がりだけが全てではないのだなと痛感する。キム・ハナさんとファン・ソヌさんは他人から見ればただの同居する友人同士でしかないけれど、その暮らしぶりを見ていると、もう家族だ。同居する4匹の猫も含め家族。でも世の中では血縁関係、婚姻関係にあるものだけを家族と呼んでいる。そもそも家族って・・・?と思わずにはいられない。

・・・・と散々書いたけれど、この本自体は深刻な内容では全くなく、2人の軽快な語り口で日常が描かれ、ユーモアのある文章がとってもおもしろい。クスクス笑ってしまうところも多々あった。日本版は清水知佐子さんの訳が素晴らしく、この2人のキャラクターが伝わってくるような文章で、すごく引きこまれた。さらに、説明が必要な単語や、韓国文化ならではなことには都度つど注釈が添えられており、それがとってもわかりやすい。よく注釈に番号が振られ、本の最後にまとめて説明が記載されている本があるけれど、そういうのをみると途端に読む気をなくす私には、とてもありがたい。

そういえばこの本の中に韓国での最近の言葉にYOLO(ヨロ)というのがあって・・、というくだりがあった。YOLOとは、You Only Live Onceの略で、几帳面なキム・ハナさんが、大雑把なファン・ソヌさん宅の冷蔵庫を見て、本物のYOLOだ!と、人生は一度きり、今が良ければいいんだ!と思う場面が書かれていた。この間見終わった韓国ドラマの「この恋は初めてだから」の中で、ヒロインのジホがバイトするカフェの名前がYOLOカフェだった。そうか、あのYOLOはこのYOLOのことなのか!と今更知った。
moipavut.hatenablog.com

 なにはともあれ、近年読んだ本の中で一番お気に入りの本となった。これから友達に贈り物をする際はまずこの本をあげようかな、と思っている。元気が出るよ。本当にオススメ。

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